Chateau Haut Brion 1997 [フランス・ボルドー]

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最近、深夜の時間帯が忙しいです。
日も長くなり、温かくなり、少し遅い時間まで飲むか。
と言った感じになっているのでしょうか。
昨日も遅い時間から込み合い、料理の注文もかなり入り、追われました。(笑)

さて、本日ご紹介のワインはボルドーの赤ワイン「シャトーオーブリオン1997」です。
オーストラリアからご旅行で来られたお客様に飲んで頂きました。

言わずと知れたボルドー五大シャトーの一つです。
そして、この偉大なる五大シャトーと言われるワインの中で
1855年のメドック地区ワインの格付けの際
その傑出した品質から唯一、メドック地区以外のグラーブ地区から
特例として1級に選出されたワインになります。
(当時は、シャトームートンを除く、ラトゥール、ラフィット、マルゴー、そしてこのオーブリオンの
 4つのシャトーが1級格付けになりました)
1550年より約500年の歴史あるシャトーで
この長き歴史の中で、高評価を得た時代、評価を落とした時代と紆余曲折ありましたが
この威厳あるラベルは常に威光を放ち続けています。

又、ナポレオン戦争で敗戦国となったフランスの処遇を決定する為に
1814年に行われたウイーン会議において
各国の首脳人に連日連夜このオーブリオンが振る舞われた事で
会議の場が和み、フランスは敗戦国であるにも関わらず殆どの領土を失わずに済んだ。
という逸話があり、「この奇跡をもたらしたのはフランスにシャトーオーブリオンがあったからだ」
とまで言われました。

そしてこのシャトーの最大の特徴として、メルロー種とカベルネ・フラン種の比率が多く
長期熟成に耐えられる。というよりは長期熟成を経て初めて真価を発揮する。
というワインで、出来の良い年だと100年後も美味しく飲める。等と言われます。

以前、ワインのコンサルティングのお仕事をやっている知人に聞いた話ですが
1940年代のシャトーオーブリオンをシャトーから頂く機会があり
どうやって運ぼうか。と迷った挙句、宅急便は色々な意味で危険なので避け
ちょうど妹の旦那さんが航空会社でパイロットとして働いていたので
その義理の弟にお願いし、気圧が安定しているコックピットに積んで持って帰ってもらったそうです。
後日、ワイン仲間とそのオーブリオンを開けて飲んだそうですが
50年以上も経過しているワインにも関わらず、味わいが素晴らしいのは勿論の事
上澄みに澱が全く無く、最後に5ミリ厚さくらいの澱の塊が
瓶からポトッとグラスに落ちてきただけだったそうです。
ワインへダメージを与える最も大きな要因は温度変化や移動だと言われますが
50年以上もずっと蔵から一歩も出てないワインはやはり素晴らしい。というお話です。
なのでネットショップで売られているワインで「蔵出し」や「蔵直」を頻繁にうたうのは
そーゆー事ですが、実際はそーでないワインも沢山出回っているようです。

それはさておき味わいです。
1997年のヴィンテージですので17年経過している訳ですが
まだまだ若々しさを感じ、滑らかで舌に纏わりつくような繊細で柔らかいタンニン。
とは対照的な、なめした皮やインクのようなワイルドな動物的なニュアンス。
そこに丁子やナツメグのアクセントが加わり、その全ての要素がバランス良く調和して
素晴らしいハーモニーを醸し出しています。
一時、1997年のボルドーは良くない。といった評価も出回り
だから早飲み出来る。と言われ続けて10年くらい経ちますが。。。
個人的にはそんな事は全く無いと思います。
むしろまだまだ寝かせても味わいが深まるのではないかと思います。
(勿論、シャトーによって差異はありますが)

フランスを救った奇跡のワイン。

お試し下さい!


田原



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