Chateau Lynch Moussas '97 [フランス・ボルドー]

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本日のワインはボルドーのシャトーランシュ・ムーサ1997年です。

日曜日にご来店のお客様K様に「懐かしーランシュ・ムーサ」と言われ、飲んで頂きました。
このお客様とは大変長いお付き合いでして、このお店が6年前にリニューアルする前
僕がまだスタッフとしてここで働いていた時代からのお客様です。

こんな事ブログで書いていいのかどうか?まあいいでしょう!
このお店の元々のオーナーだった人「建築家H氏」ですが
借金まみれで、その当時ワインや食材もロクに仕入れられない環境の下
一生懸命働いていたスタッフ達に、まともに給料も払えていませんでした。
スタッフも長続きせず(当たり前ですが)
僕も12月いっぱいで辞めて、違うお店で働いていました。
が、新しく入ったこのお店も経営破たんしており(多いですねーこういうお店)
業者さんへの支払いが出来なくなった時点で辞める事にしました。
その時に「少しだけいいから手伝って」と言うH氏のお願いで戻ったのはいいのですが
毎日恐ーいお兄さん達が、嫌がらせでお店の寸法をメジャーで測りに来たり(営業中ですよ)
カウンター横一列、7人でワインを飲みに来たりと、スリル満点の毎日でした。
それから逃げるように消えていったH氏から僕がお店を受け継ぎました。

リニューアルの際に、ビルのオーナーさんを始め、お客様、H氏の仕事関係の方
その他色々な方達にサポートして頂いて、ここでは言い尽くせない程の感謝です。

かなり話が逸れましたが、そのスリル満点時代に来て頂いていたお客様でして
「今日はひと波乱ありそうなので、個室へどうぞ!」
みたいなやり取りが毎日行われていました!
(今ではあり得ないよねー)

このお客様曰く、その当時ここで良く飲んでいたのがこのワインだそうで
僕は全然覚えていませんでした。(というか、それどころではありませんでした。)
でも当時は、大きなワインセラーの中に10種類程しかワインが有りませんでしたから
おそらくお客様の記憶に間違いないと思います。

そしてこの懐かし?の「ランシュ・ムーサ」
もともとは、「シャトーランシュ・バージュ」と同じ畑でしたが
後から分裂したのが「ランシュ・バージュ」。本家は「ランシュ・ムーサ」になるのかな?

クラッシックボルドーという言葉がピッタリなワインで、強すぎないタンニン
そしてヴィンテージからくる穏やかな果実味と、しなやかなアタック。
バランス良く一体感があり、飲み飽きさせず、お料理とも楽しみ易い味わいです。

最近のアメリカ向けの?いや、アメリカでウケるワイン?
偉大なる「R・P」先生の影響も多々あると思いますが
ワインを楽しむ方の味覚が「タンニン」に征服されているような気がしてなりません。

ボルドーワインだったら、少し前のヴィンテージで小慣れてきた物のほうが
味わいの特徴も良く分かりますし、美味しく飲めるのでは?と思います。

スリル満点のワインのご紹介でした。


田原

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