Chambolle Musigny '04（Modot)

昨日も沢山のお客様のご来店、心より感謝致します。
2回戦目、8時30分からのご予約のお客様には、
早い時間からのお客様との入れ替えで、多少手間取ってしまった事をお詫びいたします。

さて本日のワインはブルゴーニュのシャンボール・ミュジニーです。
昨日ご来店のカップルのお客様が、クリスマスコースと一緒に召上られました。

この造り手のドメーヌ・モド　全く聞いたことがありませんでした。
勿論飲んだこともありませんでしたが、インポーターさんからの絶大なるお勧めで入荷しました。

詳しく聞くと、この04ヴィンテージが遺作となるようでして、このドメーヌの息子さんが
ここを取り仕切って運営していたそうですが、交通事故で亡くなられてしまい
急遽、引退したお父さんがワイン醸造したのがこのヴィンテージだそうです。
その後、畑は切り売りしてしまったそうなので、この方のワインはこのヴィンテージで最後となります

よく有名な画家で、死んでから有名になる。なんて事ありますが、
僕もこの方のワインに、もっと早くから気付けば、、、と後悔しても始まりませんが

ブルゴーニュ、負のヴィンテージ2004年。
「そんなの関係ねー」（古くてすみません。最近全く見ないですね、あの海パンの彼）
と天国から言っているような素晴らしい出来です。

チャーミングな酸味と、優しく、それでいて緊張感のある液体分、
フローラルで柔らかい香が、心地よい余韻をもたらします。

子供の頃読んだ「ブラックジャック」という手塚治虫先生の漫画で「六等星」という話がありました。

ある大学病院で、次の教授選に向けて2人の有名大学卒業の医師が対立していました。

その病院ではその2人の卒業大学の医者でないと出世できない風潮があり、ごたごたしている時に

難病の患者が入院してきました。ブラックジャックが執刀する予定でしたが、院内で見つかってしまい

無免許の彼はおいだされてしまいます。そしてブラックジャックが代わりに指名したのは、

その病院で全く目立たない、だれからも無視されている無名大学卒業の、初老の医師でしたが、

見事に手術をやってのけ、誰が次の教授にふさわしいかみんなが気付く。というお話です。

星には1等星から6等星まであり、地球に一番近い光度の高い物から1等星だそうです。
ですが、実際は遠くにあるから6等星であって1等星の何十倍もある星がたくさんあるそうです。

そんな「大きな6等星」みたいなワインでした。


田原