Chateau Balestard La Tonnelle '96 [フランス・ボルドー]

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今日は渋谷のセルリアンタワーで
アメリカのオレゴン、ワシントン州のワインの試飲会に行ってきました。
カリフォルニアワインに比べ、味わいも優しく、酸味もしっかりしている物が多く
色々な料理とも合わせやすいなーと思いつつ、フラフラになりながら店まで帰ってきました。

そして眠気を我慢しながら、
本日のワインはボルドーサンテミリオン地区のシャトーバレスタール・ラ・トネル’96です。
一昨日、ご近所でお勤めの女性のお客様2名様でカウンターで召し上がられました。

せっかくですので、(何がせっかくかあまり解りませんが?)
始めにボルドーワインのセパージュについてお話します。

ブルゴーニュ地方の赤ワインは基本的にピノ・ノアールというブドウ品種単一で造られます。
白ワインはシャルドネです。(稀にアリゴテ種なんかをブレンドします)

それに対してボルドーは「シャトー何とか」の区画の中に3種類程ブドウ樹を植えて
その年の出来具合によって、何を何パーセントといった具合にブレンドしていきます。
これをセパージュといいます。
このセパージュによって、タンニン、酸味、果実味、ふくよかさ等を表現していきます。

例えば、ある程度安定した気候と日照量が必要なカベルネ・ソーヴィニヨンは
不安定な気候条件に見舞われたヴィンテージには
比較的早熟で、果実味の豊富なメルロー種の比率を高めてカバーしたり
タンニンを補う為にカベルネ・フラン種を足したりします。いわば保険的役割です。
じゃあ、カベルネ・フラン100%でもいいじゃん! ですが
カベルネ・フラン種だけでは、平坦な味わいで高級ワインは造れません。
(ごく稀に高級ワインもあります)

あまり面白くない話がダラダラ続きましたが
この「バレスタール・トネル」というワインですが
うちのお店でもかなり以前から色々なヴィンテージを使ってきました。

1989年から1997年が少しあって、1995年が売れてしまい、現在在庫のある1996年です。
もちろん味わいのニュアンスにこそ共通項がありますが
ヴィンテージや熟成度合によって
様々な表情を魅せてくれるのが非常に興味深いワインです。

89年ヴィンテージに至っては強烈なタンニンで鋭い骨格を感じ
「飲むのもうチョイ待った方がいいかな?」ぐらいでした。
97年は若干の腰の弱さは感じましたが
メルロー種特有の豊富な果実味が表立ち、丸く温かい味わいでした。
そして現在の96年は、甘美な香と落ち着いたタンニン
熟成も程よく進み、うるおいのある艶やかな味わいになってます。

天候条件によって出来、不出来があるのはしょうがない事ですが
俗に言う「ハズレ年」には、造り手がいかにそれをカバーするセパージュを行い
「合格点のワインをリリースするか」が求められます。

ヴィンテージ差をあまり感じさせない、
「セパージュの妙」を見た安定感を感じるワインでした。


田原        






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