Chambolle Musigny 1er Les Amoureuses 1999 (Moine Hudelot)

最近遅い時間帯からお店が込み合う事が多く
昨日も近所のお店のスタッフまで巻き込んでの
ワッショイ！ワッショイ！で少々寝不足ですが頑張って営業いきます！

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン
「シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レザムルーズ1999」
造り手は「モワンヌ・ユドロ」です。
「恋人達」の名の通り、昨日ご来店のカップルのお客様に飲んで頂きました。

この方のワインも以前にご紹介した事がありますが
このシャンボールの地で素晴らしいワインを造り続けているドメーヌの1つです。
ミュジニー、ボンヌ・マールを始めとしたグランクリュと1級のフスロットやこのアムルーズ等々。。。
シャンボールを知り尽くした男とでも言っていいと思います。

そして今回のレ・ザムルーズ。素晴らしい出来と熟成です！
ビックヴィンテージと言う事も去ることながら
液体の質感が「洗練の極致」といった感じです。
抜栓したばかりの時は、若干の脆弱さと酸の際立ちが少し気になりましたが
5分、10分後からぐんぐん香りが膨らんできて、スミレのような香りにスパイスのアクセント
シルクのようなクリアな舌触りと、ピンと張りつめた美しい酸味
時間経過と共に柔らかく、ふくよかさと奥行き、そして果実感が増していき
くらくらとさせられるような遠く長い余韻へと連れて行かれます。

的を射る前の「グッ」としなった弓のような
緊張感としなやかさを兼ね備えたエッジの効いた味わいです。

ただ残念な事にこの方は後継者がおらず
プスドール、ドルーアン、ルロワ等に畑を切り売りしていまして
2008年を最終ヴィンテージとして引退されました。

長嶋さん、王さんが引退し、石原裕次郎、美空ひばりが亡くなって
「昭和」という時代の終わりを国民が感じたように

神様アンリ・ジャイエが亡くなり、ジャッキートルショーやこのモワンヌ・ユドロが引退し
フランスワインの世界も何か一時代終わったような。。。
そんな一抹の寂しさを憶えます。。。

少しずつこの世から消えていく現存するバックヴィンテージの命。
出会った時には大事に飲みましょう！
ワインはー出会いでーございますー

合掌。


田原　寂聴でした。