フランス・ブルゴーニュ ブログトップ
前の10件 | 次の10件

Chassagne Montrachet 1er Cru La Maltroie 2005 (Michel Coutoux) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
さあ、6月です。だからどーだという事はありませんが
嫌な梅雨がやってきます。
最近体調をずっと壊していまして、気温の変化に体がついていけてないようです。
みなさまも体調管理に気を付けましょう!

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの白ワイン
「シャサーニュ・モンラッシェ・ラ・マルトロア2005」
造り手は「ミシェル・クトー」です。
昨日ご来店のお客様に飲んで頂きました。

この造り手のワインは今回初めて仕入れましたが
素晴らしいクオリティーで非常に驚きました。

このミシェル・クトー氏は
ロワール地方のブドウ農家に産まれ、ボーヌの農業学校を卒業した後
ベルナール・モレ、ギィ・アミオという名門ドメーヌでワイン造りを学びました。
この時にシャサーニュの名人、「ミシェル・ニーロン」の娘と出会い、結婚。
まさに「白ワインを造る為に存在する男」と言っても過言ではないです。
現在は引退したニーロンの指導を受けながら義理の兄と一緒に
畑の管理からワイン造りまでを行っているそうです。
そしてその傍ら、ニーロンからの紹介で信頼出来るブドウ栽培農家と繋がり
ネゴシアン業も営んでいます。(商売上手ですなー)

このシャサーニュ・モンラッシェという地区の土壌は大理石が基盤となっていて
近くには有名な採石場があり、パリのトロカデロ宮殿やルーブル美術館に使われた大理石も
ここで採掘された物だと言われています。
その大理石の基盤の上を石灰岩が覆っていて
他の植物は一切育たない、ブドウしか栽培出来ないという特殊な地質を持っています。
そこから生まれるワインは骨格のしっかりとした立体的な構造を持ち
火打ち石のような豊富なミネラル感と優しい酸味のバランスが美しく
アカシアの花のような香りと豊満な果実味を持ち合わせています。
このワインも、まさにシャサーニュのお手本のような味わいだと思います。

機会があればお試し下さい!


田原


Volnay Clos du Villaage 1996 (Bernard Delagrange) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
花粉の量も日に日に増し、目のかゆい毎日が続いています。
先週、ドメーヌ・アルマン・ルソーで働いているフランス人が突然ワインを飲みに来店されたのですが
「ルソーの中のルソー」と言われる「クロ・サンジャック」という畑のワインの最期の1本が
去年末に売れて以来、アルマン・ルソーのワインがお店に1本も無い状態で非常に残念でした。
贅沢な飲み方ですが、こうゆう時にこそ造り手と一緒にそのワインを飲んで
色々とコメントを聞けるチャンスだったのに。。。残念!

7.8年程前かな?繭のカウンターで、某グラビアアイドルと
頂いたそのアイドルの写真集を観ながら一緒にワインを飲んだ事がありましたが
多分、こっちのほうが贅沢だな(笑)

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン「ヴォルネイ・クロ・ド・ヴィラージュ1996」
造り手は「ベルナール・ドラグランジュ」です。
アルマン・ルソーとは全く関係無いワインです。(笑)

コート・ド・ボーヌ、ムルソー村に本拠地を構える大ドメーヌで
ブルゴーニュのドメーヌは通常、小さな農家。と言った感じのファミリー経営が殆どですが
インポーターさんの資料を見る限り、宮殿のような立派な建物でビックリしました。
もし、実際この建物を現地で見たら
ブルゴーニュでは無く、ボルドーに来たような錯覚に陥るのではないでしょうか。

1792年にヴォルネイで設立され1972年に現在のムルソーに移転
地下2階に渡るワインセラーには65万本ものワインがストックされているそうで
ヴォルネイのセラーにも10万本のワインがあるそうです。

ちなみにうちのお店、ワインバー繭の地下2階のセラーには1500本のワインがありますが
桁違いですなー(笑)
ご来店されたお客様に「この床下にもセラーがあるんですよ!」
なんて自慢している自分が可愛いく見えます。

そしてこの膨大なストックがあるからこそ
インポーターさんから比較的お手頃価格でバックヴィンテージが時々入荷してきます。

もう20年も前のヴォルネイですが、非常に素晴らしい熟成をしています。
マッシュルームや紅茶ような香りが心地良く、じんわりとした目の詰まった果実感。
ヴォルネイ独特の土っぽさや落ち葉のようなタッチもあり
バランスが良く、まとまりのある温かい印象が余韻まで続きます。

機会があればお試し下さい!


田原


Pommad Vielles Vignes 1989 (Fabien Coche Bouillot) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
昨日は同じ時間に稲妻のようにお客さんがご来店され
僅か30分の間に満席になってしまい、オーダーも重なり、泡を食ってしまいました。
まだまだ修行が足りないなーー。と反省の金曜日でしたが
今日はテンパらないよう頑張ります!

さて、本日ご紹介のワインは、ブルゴーニュの赤ワイン「ポマール ヴィエーユ・ヴィーニュ 1989」
造り手は「ファビアン・コシュ・ブイヨ」です。
昨日ご来店されたお客様に飲んで頂きました。

このブログでも何度かご紹介した事のある
「アラン・コシュ・ビザール」の息子さんが造っているワインで
本家のネゴシアン部としてこの名前でリリースしているようです。
と言っても、本家アラン・コシュのほうもこの息子がワイン造りをやっている為
厳密に言うと、自社畑の物か?買い付けたブドウか?の違いですが
自社畑のブドウを使って醸造した物を「ファビアン・コシュ」としてリリースする事もあるようで
かなり紛らわしいのですが、両方とも美味しいので、それで良し。です。

ムルソーを拠点にしておりまして
かのムルソーの帝王「コシュ・デュリ」とは従兄弟にあたります。
白ワイン、ことにムルソーのクオリティーは素晴らしい物があり
元々の畑が違いますから比べる事自体ナンセンスですが
コシュ・デュリのムルソーの半額以下で買えます。

さて今回のポマール。20年以上の熟成を経て
素晴らしく深みのある味わいになっています。
当然と言えば当然なのですが、若いヴィンテージのポマールに有る
ゴツゴツとして荒々しいニュアンスは全く無く
繊細でまろやかなテクスチャーを持ちながら
野生っぽさや土の香り等、ポマールらしい気品あるワイルドさも兼ね備えています。

人間の成長と同じく、若いうちは荒削りでまとまりが無く、自分が無く、節操も無く。
ですが、様々な人生経験を積み、失敗や成功を重ね
大人になるにつれ、自分の生き方や考え方の「核」が完成し
その部分はブレる事無く、柔軟な行動や発言が出来る。

ワインの熟成も人の熟成も同じではないでしょうか。

機会があればお試し下さい。


田原




Vosne Romanee 1er Cru Aux Brulees 06 (d'Eugenie) [フランス・ブルゴーニュ]

Image-1.jpg
本日ご紹介のワインはブルゴーニュ地方の赤ワイン
「ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・オーブリュレ2006」
造り手は「ドメーヌ・ドゥージェニー」です。

一昨日ご来店頂いた、最近良く来て頂くフランス人のお客様に飲んで頂きました。
この畑は、元々ヴォーヌ・ロマネを代表する造り手「ルネ・アンジェル」の物でしたが
2005年に、当主フィリップ・アンジェルが急逝してしまった事により
2004年がラストヴィンテージとなってしまいました。
うちのお店でもこの2004年のヴォーヌ・ロマネを3ケース程隠し持っていましたが
大事に大事に少しずつ売っていき、3年程前に全てを売り切りました。

そしてこの畑を買い取ったのが
ボルドー、かのシャトーラトゥールのオーナー、フランソア・ピノー氏です。

当時、ボルドーのシャトーがブルゴーニュワインを造り始める。と言う事と
ブルゴーニュの畑の売買額として過去最高額で取引された。
(エシェゾー、グランエシェゾー、ヴォーヌ・ロマネ、計6haで日本円にして約20億)という事で
ブルゴーニュの地価を上昇させる要因となる。と厳しい批判を受けました。

そしてこの2006年ヴィンテージがシャトーラトゥールが手掛けるファーストヴィンテージです。
抜栓仕立てから果実の凝縮感と強めのタンニンを感じ
しっかりとした色調から想像通りの妖艶な香りと濃密なアタック、そして低い重心。
時間経過と共に、少しずつ開き始め、しなやかさを増してはいくのですが
そうとは言え、その力強さは「固さ」を感じずにはいられず
どれ程の収量制限をすればこれ程の凝縮感を出せるのか?驚かされます。
まさかカベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされてないよね?(笑)
というのは冗談ですが
畑の大きさと生産量のバランスを考えると、収量を減らしリリースするワインの本数が減ると
ヴィンテージにより値段も変動しますが、それだけ収入にダメージを与える事は当然であり
造り手達は、その年のブドウの出来不出来を見極め
常に自分の造るワインのクオリティーと生産量のバランスを考えて収入を得ます。
なので、極限まで果実感を追及するワインを造るにはそれなりの資本力も必要になります。

勿論、畑の差やヴィンテージ差とがワインの味わいを決める決定的な要因ですが
2006年のビックヴィンテージに比べ、2004年は決して良年とは言えないにしろ
2004年の村名のヴォーヌ・ロマネは5.6年経った2010年頃にうちのお店で提供していて
素晴らしく柔らかく優しさに満ち溢れた味わいでしたが
この2006年のプルミエ・クリュの畑は約8年経過しているのにも関わらず
暗く、閉ざされた深い森を連想させます。
まあ、それがワインの面白さ。とも言えますが。。。

個人的には、この「どーだ!」と言わんばかりの果実感よりも
ルネ・アンジェルが造っていた頃のナチュラルな味わいのほうが好みではあります。
しかし、後5年、10年するとこのワインの本来の真価を楽しめる。
と言う意味ではグラン・ヴァンたる堂々とした高貴さと洗練さを持ち合わせた
素晴らしワインである事は間違いありません。

機会があれば是非、お試し下さい!


田原




Volnay 1er Cru Taillepied 2000 (Marquis d'Angerville) [フランス・ブルゴーニュ]

IMG_1083.JPG
今日は近所でハロウィンパーティーをやってる事もあり
街が子供達で賑わっています。軽く子供からからまれながらの通勤でした。
おいちゃん、飴持ってないからねーー。(笑)

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン「ヴォルネイ・タイユピエ2000」
造り手は「マルキ・ダンジェルヴィル」です。

このブログでも何度かご紹介した事のある南ブルゴーニュを代表する素晴らしい造り手です。
現在は先代の息子がドメーヌを継ぎ、完全なビオディナミ農法でブドウを栽培しています。

ワインバー繭と恵比寿ダンヴィーヴァで計7年間務め
この度、結婚を機に新潟に帰る事となりました武石君の最終日に
太田様ご夫妻に開けて頂きました。
ついでに付いてきた、元スタッフ木嶋麻子ソムリエールも同席でした。(笑)

このワインは南ブルゴーニュのヴォルネイ村で造られるワインですが
長期熟成してこそ、その真価を発揮する。
まさに、クラシックスタイルのワインを造り続ける
頑固一徹な造り手が数多く残る「名ドメーヌの宝庫」とも言えるアペラシオンです。

日当たりの良く水捌けの良い勾配の急な斜面にこの畑「タイユピエ」は位置し
直訳すると「足が疲れる」という意味からも分かるように
農作業が大変な場所である事は間違いありません。

一般にヴォルネイ村の中でもこの畑からのワインは
骨格が太く、力強いストラクチャーを持つ。と言われますが
このダンジェルヴィルのワインは素晴らしい果実感に満ち溢れていながら
エレガントな伸びのある優しさや繊細さを持つエレガントなタッチです。
ヴィンテージも2000年のワインですから、14年間の熟成からくる柔らかさも勿論あると思います。

甘いローズのような香り、土っぽさやミネラル感、シルクのような口当たり。
全体像としては軽やかな印象を持ちますが
決して「薄旨系」や「だし汁系」等と表現されるような味わいとは別物です。

軽やかさの中心にある、ウルトラマンのスぺシウム光線の如く
一本の力強い複雑味のある味わいの「核」のパワーが余韻まで続きます。
そしてそのスぺシウム光線の周りにある様々な味の要素が一体となり
大きなオーブを造り上げ、高貴な気品とブドウの持つエネルギーを存分に感じさせます。

太田ご夫妻。素晴らしいワインをご馳走様でした!
そして武石君の新潟に帰ってからの活躍を期待します。

シュワッチ!!!


田原






Nuit Saint Georges 01 (Paul Misset) [フランス・ブルゴーニュ]

__ 1.JPG
非常に気持ちの良い爽やかな日々が続いておりますなーー。
少しずつ色付いた表参道の銀杏並木や、金木犀の香りが秋の深まりを感じさせます。

そして今週の土曜日、10月11日。
私ども渋谷区の神山商店街でワインを取り扱っている飲食店10数店で
「神山町ワインフェス」というワインのイベントを開催致します。
「神山町をもっと知ってもらおう!」というコンセプトで
シダックスさん主催の元、チャリティーイベントと共同で行われます。

私がこの「ワインバー繭」をリニューアルしたのが今から約10年前
その当時この辺は、昔ながらのお蕎麦屋さんや布団屋さん、豆腐屋さん等
下町情緒満載で、渋谷の繁華街に抜ける為のタクシー通り。と言った感じでしたが
ここ数年でお洒落なお店がどんどん出店し
現在では「裏渋谷」や「渋谷ワインストリート」等々
メディアで頻繁に取り上げられる、大人のお洒落スポットとなりました。
個人的には昔の街並みが好きでしたが、新と旧が上手く融合する街になれば良いと思います。

しかしながら、今回のイベントの詳細を未だ詳しく把握出来ておらず(笑)
今週末なのに?大丈夫かな?
お時間のある方はとりあえずどうぞ!

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン「ニュイサンジョルジュ 2001」
造り手は「ポール・ミセ」です。
昨日ご来店頂いたお客様に飲んで頂きました。

この造り手のワインは結構バックヴィンテージが出回ります。
大手ネゴシアンの「パスカル社」が畑を所有しているらしく
その為か?蔵からのストックが少しずつ出てくるようです。
小さなドメーヌだと、造ったワインを早くお金に換えて運転資金にするのが常ですから
造ったワインをストック出来る。というのは、まさに資本のある大手にしか出来ない事です。
そのおかげで私達も貴重なバックヴィンテージを売って貰える。という事です。

味わいですが、ネゴシアン物とはいえ素晴らしい熟成をしています。
グロゼイユ等、赤系果実の香りとしなやかで潤いのある果実味。
丸みのあるソフトなタッチでありながら、しっかりとしたタンニンと酸味が
はっきりとした味の構造の輪郭を、より鮮明に浮き彫りにさせます。
一般的に男性的なワインと言われる事が多いこのニュイサンジョルジュ村のワインですが
13年もの熟成期間を経ると、ゴツゴツした筋肉質な男性的なニュアンスは無く
むしろ、しなやかでグラマーな女性的な印象を持たせます。

熟成ブルゴーニュの楽しみがしっかりと詰まったワインだと思います。

機会があればお試し下さい!


田原


Gevrey Chambertin Aux Etelois 08 (Maume) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
西日本は大雨のようですが、東京は毎日30度を超える猛暑日が続いております。
今日、明日は麻布十番祭りだとの事で、人ごみが苦手な方は渋谷へどうぞ!

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン
「ジュブレ・シャンベルタン・オーエトロア」、造り手は「モーム」です。
昨日ご来店のお客様に飲んで頂きました。

最近あまり市場で見かけなくなったような気がしますが、久々の入荷です。
古典的なジュブレの造り手として有名でして
畑こそ小さいですが、ジュブレ・シャンベルタン村の中に
「シャンポー」や「ラヴォーサンジャック」といった1級畑
そして「シャルム・シャンベルタン」や「シャンベルタン」と言った特級畑等々
数々の素晴らしいポテンシャルを持った畑を所有しており
樹齢50年を超える古樹も沢山あると聞きます。

しかしインポーターさんの話だと
兄弟間でブドウ畑の相続の問題で
2012年にカナダ資本の会社から買収されたようです。
現在は、ここで醸造長を務めていた息子のベルトラン・モームが残り
雇われとして醸造を手伝っているようです。
いったい幾らで売れたのでしょう?うん億?かな?
少々悲しいお話でした。

しかしながら味わいは、相変わらず非常にクオリティーが高いです。
エキス分が高く、それでいて嫌味が無く、タンニンも優しく、柔らかく。
なのに重心の低さを感じるどっしりとした質感。
ローズのような香りの中にある躍動感溢れる快活な酸味が
長い余韻に寄り添い、柔らかい印象ですが強い大地のメッセージを受け取れます。

機会があれば是非お試しを!


田原

Clos de Vougeot Grand Cru 2000 (Drouhin Laroze) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
台風が日本を縦断しています。
本日開催予定の東京湾花火大会も中止になりましたが
東京は中心から逸れているせいか少し雨が降っている程度です。
ご予約も頂いています。休み前、最後の営業頑張っていきます!

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの赤ワイン
「クロ ド ヴージョ グラン クリュ2000」
造り手は「ドルーアン・ラローズ」です。

先月末で繭での3年間のアルバイトを終了し
寿退社致しました塚野さんの最終日に常連様のN様に開けて頂き
そしてスタッフ一同ご馳走になりました。
N様有難うございました!

言うまでも無く、数々のワインラバー達を唸らせるヴージョ村のワインです。
ブルゴーニュ、ヴージョ村の中にある区画(昔は石塀で囲われた畑の事を言ったそうです)
の事を「クロ」と言い、アペラシオンに占める特級畑の割合いがブルゴーニュ最大として有名です。
このクロ・ド・ヴージョ、50haの特級畑に70人以上の造り手がワインを造る特殊な場所でもあります。
なので、いくらグラン・クリュとはいえ、造り手によってかなりの味の差が出る事は
言うまでもありません。それこそピンキリ。
クロ・ド・ヴージョは畑に惑わされずに造り手を吟味して選ぶべき。
と、言われるのはこういう事です。

その中でも今回のこの「ドルーアン・ラローズ」はクロ・ド・ヴージョのみならず
シャンベルタン・クロ・ベーズ、ミュジニー、ボンヌ・マール等
6つのグラン・クリュを所有している
紛れも無く、ブルゴーニュワインのトップに君臨する造り手です。

抜栓仕立ては、予想通り暗く、冷たく、そして固く
人見知りで、とっつきにくい気難しさを覗かせましたが
30分後を境に変化し始め、ローズや茸のような香りがリズミカルに立ち上がり
堅牢な構造の中に大きな膨らみのある温かい果実味と上質なフィネス。
グロゼイユ、ナツメ、ドライフルーツ、シナモン、インク等々
時間と共に様々なキャラクターが複雑に交差していき
まさに大地の声を「香り」という現象に集約させたメッセージがそこに存在します。

数々のグラン・クリュを持っているからこそ見えてくるもの
そして造れるものがあるのだと痛感させられた1本でした。

塚野さんには
自分を磨いて、何歳になってもこのワインのような魅力的な女性であり続けられる事を願います。
お幸せに!


田原







Meursault Tete de Cuvee 2010 (Francois d'Allaines) [フランス・ブルゴーニュ]

__.JPG
皆様、楽しいゴールデン・ウイークを過ごせましたでしょうか?
大型連休の後だからか?昨日は暇な金曜日となりました。
さっさと仕事を切り上げて知人のお店で飲んでいたら
隣に居合わせた方と意気投合し、気付けば朝4時を回っていました。
しかし、今日出勤してスタッフに聞いた所、深夜から常連様が何組かご来店され
結局、最後のお客様が帰られたのは朝5時過ぎだったようで。。。
皆様、お手柔らかにお願いします。。。

さて、本日ご紹介のワインはブルゴーニュの白ワイン「ムルソーテット・ド・キュベ2010」
造り手は「フランソア・ダレン」です。
昨日ご来店のお客様に飲んで頂きました。

当主フランソア・ダーレンは25歳でワイン醸造の世界に入り
29歳でボーヌのメゾンで技術責任者を務めた後
1996年ムルソー近郊の村ドムニーに土地を購入
何もない所からワインの醸造設備を整え
5年後の2001年からようやくワイン醸造を開始した新しいメゾンです。
(インポーター資料抜粋)

ブドウは無農薬有機栽培をしている信頼できる農家さんから購入して
ワイン造りだけを行うネゴシアン業です。
今回のこの「テット・ド・キュベ」と言うのは、ブドウの出来の良好な年のみ造られる
言わばスペシャル・キュベという事になります。

一般的にムルソーというワインは新樽を使って熟成させ
ミネラル感に負けない樽の厚みが加わったタイプが比較的多いように思います。
(最近は脱樽香。という生産者も多いようです)
なのでひと口飲むと、パワフルで豪傑なアタックがズトン!と来て
その後から様々な味わいが伸びやかにスーと続いて行くような味の構成に感じます。

しかしこの方のムルソーは新樽比率20%に抑え
柔らかな果実味とキメの細かいミネラルに程よい樽の風味が乗っている。
そんな優しいイメージです。
ムルソーというワインを飲み慣れている方がこのムルソーを飲むと
少し拍子抜けというか?肩すかしをくらったようになるかもしれません。

イメージというのは怖いもので
以前、うちのお店でグラン・クリュの古いヴィンテージの赤ワインを飲まれたお客様が
同じ造り手の現行ヴィンテージのワインを1週間前に飲まれていたらしく
「味に力強さがない。状態がおかしい。」と言われた事がありましたが
それは当然の事であり、10数年前のワインと今年リリースされたばかりのワインが
同じ味で同じ力強さのはずがありません。
しかし、前の週に他のお店で飲まれたワインの印象が強く
うちのお店で飲んだワインのヴィンテージ等、ど返しして味が脆弱に感じたのでしょう。

ムルソーに話を戻しますが
優しい味わいであるが故、どんなお食事とも相性抜群で
食材の邪魔をせず、素晴らしい相乗を魅せてくれます。
フランス各地の星付きレストランからの引き合いが多いのもうなずけます。

拍子抜け?肩すかし?

いや、肩の力の抜けた自然体のムルソー

お試し下さい!


田原


Clos Saint Denis Grand Cru 2001(Georges Lignier) [フランス・ブルゴーニュ]

Georges_Lignier.JPG
ようやく暖かい日差しが感じられるようになってきましたね。
春は大好きな季節です。
どうもお久しぶりです、塚野です。

本日ご紹介のワインは「クロ・サン・ドニ '01」
造り手はジョルジュ・リニエです。

常連のI様が素敵な女性とお待ち合わせ後に開けてくださいました。

ジョルジュ・リニエはモレ・サン・ドニに拠点を置く有名なドメーヌです。
リニエ家といえば数世代に渡ってワイン造りを続けており
人気ドメーヌのユベール・リニエとは従兄弟にあたります。

現在、生産量の半分をニュイやボーヌの有力ネゴシアンに樽で売っている為
ドメーヌの元詰めワインは貴重なものとなっています。

ワインの造り方はブルゴーニュの伝統的な手法を重視しており化学肥料などは一切使用しません。

ブドウを低温浸漬の後(この効果により色やエキス分を抽出し丸みをもたせる)、
自然酵母のみで発酵、一定温度でアルコール発酵して濾過処理を行って作られます。
特級においては新樽を100%使用しますが、良いブドウでなければ新樽の強さに負けてしまいますし、。
自然酵母のみの発酵は、発酵の進み具合が安定しないためそのコントロールが難しいとされます。
その点において特級ワインは実力なくしては良い出来には仕上がりません。

クロ・サン・ドニはモレ・サン・ドニ村の特級畑の中でもっとも小さい区画となりますが
土壌は排水もよく粘度も多く含んでいるため、滑らかで口当たりの良さがあり
肉厚で香り高い味わいのワインが生まれると言われます。

このワインはジョルジュ・リニエの特徴でもある
ミネラルを多く含んだ透明感のある美しい色合いからは想像できない程
ブドウの濃縮した旨味、深み、複雑さが感じられ
テロワールの良さが表現された素晴らしい仕上がりです。

まだ熟成させても良いですが、程よく溶け込んだタンニンとミネラル
そして酸のバランスが良く、すでに飲み頃を迎えているのではないかと思います。

ジョルジュ・リニエの実力とテロワールを感じられる特級ワイン、是非お試しください!
前の10件 | 次の10件 フランス・ブルゴーニュ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。